自分自身の出身学科専修でありながら惜しくもなくなってしまった外国語学部言語学科言語学専修(略称「言言(げんげん)」)の講師として1994年に着任し、前理事長の大城光正先生には大変お世話になり、1999年から1年間オランダのライデン大学文学部中近東学科に在外研究員として行かせていただいた後、2000年から新設の文化学部国際文化学科に移籍しました。
言言では、研究語学という少人数の語学科目でヘブライ語やドイツ語を教え、通年必修の卒論指導の成果発表である1月末の卒論諮問と追い出しコンパが数少ない全員集合の機会でした。言語学の授業ではいち早くHTMLやLaTeXを取り入れた実習を行っていたこともあって、理学部(当時)で月1回行われていたインターネットとコンピュータの会(名称失念)に言言生も誘って参加し、ヘブライ語の入出力について発表して『UNIX USER』誌に取り上げられました。その後の食事会にも参加し、学生たちとカラオケバトルをするのがお決まりでした。
ヘブライ語の研究語学に出ていた学生たちの希望で、神山祭のWorld Music Festivalにヘブライ語の歌で参加したり(写真左)、神山ホールで第九を演奏するというイベントでは合唱とドイツ語の発音指導で関わり、一般公募の合唱には言言生も入って、情報センターの協力を得てネット中継しました。
文化学部に移った当初は、前年度のプレ教授会に出席していなかったので完全にアウェイな状態でした。最初は情報科目が担当で、言言での経験を活かして授業を行い、授業補助員CABS(きゃぶす)の雇用も一任され、その学生たちとはよく交流していました。しかし、自分自身も学外で17世紀初期バロック音楽の演奏活動をする中で、「文化なのに音楽とユダヤの科目がないのはおかしい」と思い音楽文化論と古代西アジア文化論を開きました。ゼミも担当できるように調整して、最初はアルファベットの歴史で、後に18世紀以前の音楽で開講して今に至ります。
私がリコーダーを吹いていた関係で学生が名付けた「笛ゼミ」は、1年目はなんと1人でしたがクラシック・ギター奏者としてCDも出して活躍しています。2年目に入った3人のうちの1人はavexからヴォーカリストとしてデビューして、今は曲作りを中心に活躍しています。この2人とは、文化学部開設20周年にOBと現役教員という形で共演しましたが、コロナ期でしたので11号館ロビーで演奏を収録して動画配信しました。また、学生の希望で「笛ゼミ演奏会」をクリスマス頃に11号館ロビー他で始めて、17〜18世紀の音楽を学生ができる楽器で毎年続けており、大学の新聞やHPでも紹介されています(写真右)。私はリコーダーと17世紀の低音撥弦楽器キタローネ(テオルボ)を演奏しています。
言言の時期は授業でこそ音楽は扱っていませんでしたが、学生たちとはよくカラオケに行き神山祭や第九でも一緒に音を奏でて、文化に移ってからは音楽の講義とゼミを持ちつつ「笛ゼミ演奏会」ではゼミ生と一緒に演奏して、結局は音楽とともに学生と歩んできたなと思います。