京都産業大学同窓会

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知の舞台で煌めく:ゼミ教育と受賞の喜び

(※2023年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
李 為 教授
経営学部教授 社会学、社会調査法

 経営学部に就任して以来、私は常にゼミ教育において方法論を重視し続けてきました。学生たちが真の知識を身につけ、社会において主体的に考える力を養うために、複眼的思考力とデータ分析の力を育むことに注力してきました。この取り組みの結果、学部のゼミ研究発表大会で5回も受賞することができました。ここでは、私のゼミ教育のアプローチとデータ分析の重要性について探求し、知的創造と受賞の喜びについて考えてみたいと思います。

 (1)複眼的思考力の重要性:ゼミ教育において私が重視してきたのは、複眼的思考力の育成です。経営学、社会学、そしてデータ分析の力を組み合わせることで、学生たちは問題に多角的にアプローチすることができます。これによって彼らはより広い視野で社会の課題を捉え、解決策を見出す能力を身につけます。

 (2)データ分析の重要性と騙されない思考:データを理解することは、現代社会において不可欠なスキルです。データを理解しなければ、誤解や騙される可能性があります。社会には人を騙すデータも存在します。ゼミ研究では、学生たちは初歩的なデータ分析から始め、その後より詳細な分析を行います。データを正しく読み解く力を養うことで、学生たちは社会においてより客観的な思考を持ち、騙されることなく問題に取り組むことができます。

 (3)受賞と共に歩んだ学生の成長:ゼミ生たちは、チームに分かれて度数分布表やクロス集計を中心にデータ分析を行い、研究成果を発表してきました。その結果、学部のゼミ研究発表大会で受賞することができました。この受賞は学生たちの努力と成長の証であり、彼らの研究能力や学習意欲の高さを示すものです。ゼミ研究を通じて、彼らは単なる模倣ではなく、個々の独自の視点や見解を持つ姿勢でチャレンジしました。自身の研究テーマに沿ったオリジナルな研究成果を発表し、知的創造の喜びを再発見したのです。

 (4)卒業までの目標と学生の将来:ゼミ教育の目標は、学生たちが経営学と社会学の視点を統合し、社会を考察するための方法論を身につけることです。さらに、データを読み解る力や分析力を鍛え、社会に出た際に活かせるようにします。学生たちは卒業までに自身の個性を生かした研究テーマに取り組み、オリジナルな成果を発表することを目指します。そうすることで、彼らは自己の知的成長を促し、将来のキャリアにおいても独自の視点を持ったチャレンジャーとなるでしょう。

 現在では、新たなコミュニケーション手段として、LINEでゼミ卒業生グループを作り、大学の情報共有や現役ゼミ生との交流を図っています。LINEでのゼミ卒業生グループは、大学でのつながりを維持し、情報共有や現役ゼミ生との交流を通じて学生たちの成長を促進する貴重な場となっています。このような交流活動は、学生たちの学びの延長線上にあり、社会での活躍に繋がる絆を築くことにも貢献します。卒業後もつながりを持ち、同じゼミ仲間と情報や経験を共有することで、自己の成長を支えるだけでなく、他のメンバーの成長もサポートすることができます。

 最後に、ゼミ教育の方法論とデータ分析の重要性について考えると、学生たちと共に歩んだ時間がいかに貴重であり、喜びに満ちていたかが分かります。彼らの研究成果の受賞は、彼らの努力と成長を称えるものです。私は心から彼らへの感謝の意を捧げます。卒業までの旅路で、彼らが経験し、学んだことが、彼らの未来の成功に繋がることを祈念しています。ゼミ教育を通じて、学生たちが知的創造を追求し、社会への貢献を果たすことを願っています。