京都産業大学同窓会

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仕事の場での卒業生の方々との繋がり

(※2020年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
牛瀧 文宏 教授
理学部 位相幾何学

 卒業生の皆様におかれましてはいかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。理学部所属の牛瀧文宏と申します。新しい生活様式が提唱され、働き方にも随分と変化が見られる中、ご苦労をされているのではないかと思います。大学では、オンラインを中心とした学生と距離を置いての授業となり、改めて対面で学生を育てることの意味とそのありがたさを、深く感じているところでございます。ただ、遠隔で授業を実施できるようになった分、ゲストティーチャーに入ってもらうことが容易になるなど、新しい可能性も広がっています。従来型授業とのハイブリッドで授業の幅が広がることを期待したいと思います。
 さて私は1991年に本学に奉職しましたので、定年まではあと十数年あるものの、今年でちょうど30年目になります。仕事でうかがった先での、卒業生の方との出会い、そして大学での学生との関わりと将来への期待について綴らせていただきたいと思います。
 仕事を通じて卒業生の方にお会いする機会というのは、学校現場や、各自治体が催す教員対象の研修会などです。すなわち卒業して学校教職員となられた方々とお会いをする機会があるのです。ありがたいことに、卒業生の方が、授業の指導助言や、教職員対象の研修会の講師に私を呼んでくださることもあれば、仕事で行った先でかつての教え子に会うこともあります。懐かしさと同時に、立派になったお姿を拝見して心躍ります。また、講演を終えた後に、「私も京都産業大学の卒業生なのです」とうれしそうに話しかけてきてくださる卒業生の方々もいらっしゃいます。
 長らく、教職関係の授業を持っておりますが、全学の学生を対象にした授業なので、関わってきた卒業生が全学に広がっています。そのため、数学の教員だけでないというのも嬉しいことです。私がこの大学に職を得て、大学に寄与できたこととすれば、こういった現職教員を育ててきたということかと思います。
 さて最近私はゼミを2つ持っております。一つは所属する理学部数理科学科のゼミ、もう一つは教職ゼミと言われるゼミです。本稿残りでは、教職ゼミについて紹介させていただきたいと思います。教職ゼミは、全学の教員志望の学部生から構成され、しかも、2年生から4年生まで持ち上がりという、かなり濃密な時間を過ごすゼミです。恥ずかしながら、30年近く勤務していたにも関わらず、このゼミを担当して、本学が一拠点総合大学であると言う事の利点をつくづくと感じました。今年の3月に卒業した学生たちを、教職ゼミで3年間持ち上がりましたが、文系の学生と理系の学生がお互いに刺激し合うことにより、とても上質な学びの空間が得られました。私は大した指導者ではありませんが、本学の建学の精神にある「高い人格をもち、人倫の道をふみはずすことなく、社会的義務を立派に果たし得る人」はまさにこういった空間で生まれるのだと感じました。
 この教職ゼミでは、学外授業を多く取り入れております。そこでも本学の一拠点総合大学である強みが生かされた場面がありました。例えば、この春に卒業したゼミ生たちは、法学部のA先生の授業と合同で、少年院を見学する機会を得ました。少年院見学はゼミ生からの希望で実現したものでした。
 私は教員の卵たちには、少年少女と接点のある様々な施設や仕事を知って大きな視野を持って欲しいと思っております。そこでこの場をお借りして甚だ恐縮ではありますが、卒業生の方々にお願いがございます。教員の卵たちに役立つような情報がございましたら、ご提供頂けましたら幸いに存じます。これは次の次の世代に我々の京都産業大学を繋いでいくことでもあると考えるからです。どうぞよろしくお願い申し上げます。