京都産業大学同窓会

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学部別

「恩師初心者」から感謝をこめて

(※2017年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
吉永 一行 教授
法学部 民法、信託法
吉永 一行 教授

(1)「恩師」と名乗るなんておこがましいと思いつつも、今年で着任15年目。法学部の大講義を(その中でも最初の5年間は必修科目の民法Ⅰを)担当していますから、「永の顔を見たことはある(はず)」という卒業生も、数千人に達していることに思い至りました。そうした卒業生の皆さんに、「恩師初心者」としてごあいさつ申し上げます。
 実は、皆さんにお礼を申し上げなければなりません。私は、法学部の同僚2人とともに、数年前に『法学部入門』(法律文化社・2015年)を刊行しました(現在は秋の改訂版刊行に向けて作業中)。
 授業をしていると、学生の皆さんから、疑問や質問、レポートの提出、あるいは試験での解答といった様々な形で、自分の行った授業のフィードバックをいただきます。そうしたフィードバックの中にこそ、学生が法律を学ぶ際の「つまずきの石」を見つける手がかりがあります。本書は、そこに少しでも寄り添おうとの考えから生まれました。そうしてできた本書は、法学部導入科目「法律学入門」のテキストとして、新入生の学びをサポートしています。皆さんの受講がなければ本書の刊行はありませんでした。こうして直接に同窓会報でお礼を述べる機会を得たこと、ありがたく思います。

大講義風景(401教室にて)

(2)ゼミを始めとする少人数講義で、顧問を務めている法律相談部で、あるいは室長を務めた履修相談室で、一緒に活動して顔と名前の一致する(はずの)学生も相当の数に上ります。
 ゼミだけでも、13期生を迎えた今年、累計280人のゼミ生を数えています。「徹底的に勉強することは面白い」というキャッチフレーズのもと、これだけの学生と出会い、対抗ゼミやインターカレッジ民法討論会で、京大、早慶、関関同立などのゼミを相手に毎年討論会を開催できていることは、本当に嬉しいことです。
 また、OB・OGから現役生まで40~50人が集まる毎年2月のゼミ総会も本当に楽しいお祭りになっています。対抗ゼミや討論会を毎年行っているので、受講年の違うOB・OGが集まっても、「私のときはこうだった」と共通の話題があるのが楽しいですね。

(3)京産大の同窓生皆さんのご活躍をお祈りしていますが、それと同じくらい声を大にして申し上げたいのは、何か難しい問題に直面し、苦労したり、悩んだりするようなときにこそ、「母校」を思い出していただきたいということです。嬉しいときにそれを報告したくなるのと同じくらい、辛いときにそれを聞いてもらいたくなる——恩師初心者として、そうした恩師を目指して、私自身これからも頑張っていこうと思います。