京都産業大学同窓会

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温故知新?

(※2022年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
吉岡 一郎 教授
経営学部教授 会計学、監査論

 私が京都産業大学経営学部に奉職したのは2006年4月、40歳の時であった。現在57歳であるから在籍17年目を迎えることになる。定年を迎えるまであと8年という時点で、これまでの学生諸君との交流を振り返るのもそれなりに有意義であろう。以下少々堅苦しくなるが、授業関係、ゼミ関係、クラブ関係、総括、の観点から書き出してみたい。

1:授業関係 
 これまで担当してきた授業は、会計学関連の専門科目では商業簿記領域、財務会計領域、財務諸表監査領域といったところで、バランスよく1・2・3年生配当の授業を担当できたのは幸いであった。専門科目以外では1年生配当のセミナー系の授業で、スポーツ推薦入試入学者クラスを長らく担当していたことが記憶に残っている。クラブ活動と勉学の両立にややもすれば苦しむ体育会所属のスポーツ推薦入試組の学生の単位修得や留年することなく大学4年間で卒業することをそれなりに手助けできたのではないかと思う。

2:ゼミ関係
 2006年に赴任してきて、その年は2年生のゼミのみを担当する予定であったが、いきなり別途3年生、4年生のゼミを担当することとなった。新たなゼミ指導教官の出現に当時の3・4年生も戸惑ったと思うが、ゼミ生諸君の協力もあり、何とか乗り切ることができたことには感謝している。そのため在籍17年目にもかかわらず現在の2年生のゼミが吉岡ゼミ19期生となり、200名を超えるOB・OGを無事に送り出すことができ、会計専門職である公認会計士、税理士も輩出できたことは望外の喜びである。

3:クラブ関係
 クラブ部長としてご縁があったのは、レスリング部(現在休部中)とソフトテニス部の2つである。共に熱心に練習の場に足を運んだり試合会場で応援するわけでもなく、形だけの部長に過ぎなかったことは申し訳なく思っている。もっともソフトテニス部は現在進行中であり、自身経験してきた競技でもあるので今後充実させたいところである。
 あとは前述したスポーツ推薦入試入学者との人間関係もあり、産大スポーツをゼミ生が所属するクラブの試合を中心に幅広く積極的に応援してきた。そしていろいろな会場で熱心に後輩・母校を応援するOB諸兄と知己を得たことも貴重な体験であった。これも昨今のコロナ禍でなかなか会場に足を運べていないが、様子を見ながら機会を増やしていきたいと思う。

コロナ禍に配慮して、注意深くグループワークをしています

4:総括
 上記1~3を眺めるに、4年で無事卒業できるよう様々な学生を支援、叱咤激励することしかできてこなかったのではないかと感じる次第である。自身の大学生時代が授業にもあまり出ず危うく卒業した反省からか、ゼミ生や体育会所属の学生に、授業に出ているか?、単位はいくつ取れた?、と顔を見かけるたびに確認してきた効果があったのかもしれない。対学生において等身大で卒業を最重点に考えて接する教員が存在してもいいのでは、というのが私の我田引水的な結論となる。もちろん今後のさらなる進化は要検討である。

 最後に、文体は変わりますが、私からの卒業生へのエールです。卒業生諸君、これからの日本を築いていくのは君たち自身です。神山の地での経験をベースにそれぞれの分野で知見をえて、縦横無尽にご活躍されることを心より祈念しております。