京都産業大学同窓会

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大学で刺激を受けて目指したエンジニアの仕事を楽しんでいます。

(※2023年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
伊神 紗帆さん(2021年コンピュータ理工学部卒業)
チームラボ
1998年生まれ、京都府出身。コンピュータ理工学部卒業。在学中は電子計算機応用部に所属し、Webサイト作成などに取り組む。在学中のインターンがきっかけでチームラボに就職。現在はバックエンドエンジニアとしてアプリやWebサイト作成に携わる。

先生、先輩、友人。さまざまな人が自然と自分を導いてくれた。

目標が定まらないまま入学したけれど
伊神 紗帆さん

――なぜ京都産業大学コンピュータ理工学部(現 情報理工学部)を選んだのですか?
 大学入学前にはまだあまり明確な目標はありませんでした。理系に進みたいとは思っていたのですが、どの学部に行きたいかが全然定まらなかったんです。むしろ数学はどちらかというと苦手で、しかもコンピューターに触った経験は小学校の授業くらいしかなかったんですよね(笑)。
 高校3年の夏の時点では国立大の地学部を考えていましたが、将来の進路が研究職くらいしかないとわかり、それならもう少し就職の選択肢がありそうな情報系にしようと考えました。京産大を選んだ理由は、地元京都の大学だったからというのもあります。第一志望ではなかったのですが、結果的にはここで多くの出会いと学びの機会に恵まれました。

――大学時代の印象的な思い出は?
 学生生活では、電子計算機応用部(C.A.C.)での活動が大きなウェイトを占めていました。大学は先輩とのつながりが大事と聞いていたので、どこかの部活に入ろうと思ってはいたのですが、C.A.C.は男子ばかりの部だったので1人では入りにくく、女子3人で見学に行ったのを覚えています。
 結局そのまま入部し、部の活動で初めてのWebサイトづくりに挑戦しました。AIや機械学習をやるほど数学が得意ではないけれど、Webサイトなら特別な機材やお金がなくても作りやすそうだし、先輩が勉強会も開いてくれる。そんな理由で、私でも無理なく挑戦できたと思います。
 「青木塾」でも多くを学びました。これは青木淳先生が夏休みや春休みに開催して下さった勉強会のことで、学んだのは主にプログラミング言語の理論です。中でも、「プログラミングはあくまでも道具であり、目的ではない」という考え方は、当時の私には目から鱗で、学ぶうちにすっかり青木先生の虜になりました。
 このほかにも、「CSEgirls(現ISEgirls)」というグループで、コンピュータ理工学部の学生を増やすための活動をしていました。オープンキャンパスに来た学生を案内したり、そのためのセッティングをしたりするのも楽しかったです。

伊神 紗帆さん

――その経験が今にどうつながっていますか?
 C.A.C.や青木塾との出会いから、今の仕事への方向性を見出せたように思います。
 やりたいことが決まっていなかった入学当初は、高専出身の同級生がゲームを作る話で盛り上がっているのを聞いて焦ったものでした。2年生の夏にインターンを考えた理由も、自主的にというよりは「インターン行かないと時代遅れ」と言っていた周囲の雰囲気に刺激を受けたためでした。そうして行ったチームラボのインターンで最後に内定を頂き、今の仕事につながりました。


 現在、個性的なメンバーに囲まれてエンジニアとして頑張れているのは、青木塾でプログラミング理論を学び、C.A.C.でトラブルシューティングを学んだおかげです。また学生生活の人との関わりで、いろんな考え方や生き方があると知ったことは、仕事で顧客の要望を把握するうえでも活かせています。


仕事ではコミュニケーションを大切に

――就職で重視したポイントは何ですか?
 私の場合は就職に関して、お金を稼げるというより「楽しく働ける」ことを優先して考えました。内定を頂いた4社の中からチームラボを選んだ理由も、エンジニアの人数が多いのが楽しそうと感じたためで、実際さまざまなバックグラウンドや経験を持つ人と関わることができて充実しています。
 基本的に「一緒に働きたい人と一緒に働こう」という雰囲気で、コミュニケーションが活発なことも、お喋り好きの自分に合っていると思いました。「対面で話す方がいろいろアイディアが出る」という方針のため、IT系にしては珍しく、リモートワークもほとんどしません。それくらい、コミュニケーションを大切にする組織です。

伊神 紗帆さん

――現在のお仕事についてお聞かせください。
 3年目の現在は、ある空港サイトのリニューアルにバックエンドエンジニアとして携わっています。 これまでもアプリ開発にバックエンドエンジニアとして携わり、3年間で3つのプロジェクトを経験しました。当初はWebサイトを作りたいと思っていたのですが、バックエンド側に携わるうちに、いつの間にかバックエンドの方が楽しくなってきました。今は、ユーザーの目に見える形を作る人がいて、自分は裏側を作って、それで1つの形になるところにやりがいを感じてます。
 今後はプロジェクトが円滑に進むよう、全体を統括的に見るような仕事ができるようになりたいです。漠然としていますが、もっとノウハウを蓄積して共有できる現場をつくれるよう、力を付けたいです。

――最後に学生へのメッセージをお願いします。
 自分が楽しいと思える選択をして、選択しなかった後悔すら楽しいと思える仕事をしてほしいと思いますね。仕事の適性も、気にし過ぎなくていいかもしれません。エンジニアに関しても、決して寡黙な人ばかりというわけではないし、数学が苦手な人や文系出身者がなれないというものでもありません。チームラボに入ってから、そう思うようになりました。
 あまり先入観にとらわれず、楽しいと思える進路を選んでいけばきっとよい出会いがあり、可能性も開けるのではないでしょうか。