京都産業大学同窓会

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「挑戦を恐れない心」を武器に
世界で愛されるモデルを目指す。

(※2019年9月発行の同窓会報の内容を転載しています)
高山 沙織さん(2016年外国語学部卒業)
1994年生まれ。大阪府出身。2016年外国語学部国際関係学科卒業。卒業と同時にモデル活動を開始。東京ゲームショウで演じたアンドロイドコンパニオン役が世界で話題になり、CM動画「2042年のクリスマス」「2045年のSAKURA」(JACCS)にもアンドロイド役で出演。その他、CMやWebムービーなど映像作品を中心に活躍中。

得難い経験と刺激的な友人、
気にかけてくれる先生がいた。

短期留学での挫折、そして成長
高山さん写真_02

――いつモデルになると決意されたのですか?
 大学を卒業する直前ですね。卒業と同時に上京し、事務所に所属して活動を始めました。それまでは、お仕事としてのモデルは全く未経験でしたし、普通に就活もして内定をいただいていた企業もあったんです。高校時代にダンス部で活動していて、校内に「ファンです」と言ってくれる人もいるなど注目される楽しさは感じていたのですが、それが自分の仕事になるとは全く考えていませんでした。普通に大学を出て、就職することが親孝行だ、くらいに思っていたんです。それなのに、大学を卒業するときになってそういう決断をしたのは、大学時代を通じて「チャレンジすることを恐れない」気持ちが養われたからかもしれません。

――どんな経験からそうなったのでしょうか。
 原点は、1年次のときに行った短期留学です。私は外国語学部国際関係学科にいたので、1カ月の短期留学が必修になっていて、それでアメリカのポートランドに行ったんですね。4つあった行き先候補からアメリカを選んだのは、当時は外国といえばアメリカのイメージが強く、「せっかく行くならアメリカかな」という程度の今思えば単純な動機から。そんなふうに目的意識も高くなかったせいか、あまり実りのある時間が過ごせなかったんです。ホストファミリーとはうまくコミュニケーションが取れず、学校では、同じ学科から行った日本人の友人同士で固まってしまい、結局はほとんど日本語で話している状態で……せっかくの機会を活かせなかった心残りから「何かリベンジをしたい!」と思い、一人でバックパッカー旅行に行くことにしました。3年次の夏ごろにタイ、カンボジア、ベトナムと回り、卒業直前にはトルコ、ギリシャにも行きました。
 バックパッカーとして旅してわかったのは、言葉が拙くても、文化を知らなくても「何とかなる!」ということ。たとえば陸路でタイからカンボジアに入ろうとしたときには、ビザの手続きで2時間ほど待たされて、何が起こっているのか分からない不安な時間も過ごしました。でも、困った顔をしていると必ず話しかけてくれる人がいるんですよね。かわいそうに思ったのか、なぜか食べ物をくれたりして(笑)。そういう経験を通じて、「助けてくれる人はどこにでもいる」と実感することができ、挑戦することが怖くなくなっていったのです。

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バックパッカーとしてトルコの有名な塩湖へ

――いきなり海外一人旅とは行動派ですね。
 そんなことないんですよ!もともと内向的な方ですし、入学した直後は、何度も何度も言われないと動かないタイプで、留学のために提出する書類も、再三催促されて最後の最後に提出するような学生でした。そんな私にもとてもよくしてくださったのが、短期留学の担当でもあった正躰先生。ダメな自分を何かと気にかけて、フォローしてくださった先生にはとても感謝しています。最終的にはゼミも正躰先生のゼミに入り、世界中の地域紛争や移民の問題を学びました。
 海外に憧れが生まれたのは、授業はもちろん、周囲の友人の影響もありますね。国際関係学科にはもともと海外に興味のある人が多く、その中で刺激を受けることができたのです。

世界の人を勇気づけられる仕事
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ゲームショウでアンドロイドを演じた

――今のお仕事について教えてください。
 モデルというのは「待つ仕事」。立て続けにお仕事の話をいただくこともあれば、オファーを待ち、オーディションの結果を待ち、それでもお仕事が来ないこともあります。モデルというのは、そんな中でモチベーションを保つ強さを要求される仕事だと今は実感しています。
 印象的だったのは、少し前に台湾で大地震が起こったときのこと。実は私は海外にファンが多く、Twitterのフォロワーも4割近くが台湾の方。そこで地震のときには「皆さん頑張ってください」と中国語でツイートしたんです。すると、とても多くの方が反応してくださり、「励まされました」とメッセージをくださったんですね。「私にもこうやって多くの人を元気づけられるだけの力があるんだ」と感動したと同時に、今後さらに発信力をつけて、もっと多くの人を勇気づけられる存在になりたいと思った出来事でした。

――どんな夢や目標をお持ちですか?
 台湾にファンが多いのは、私が東京ゲームショウでアンドロイドを演じたことがきっかけ。日本以上に台湾で大きく報道されていて、今後は、もっと積極的に海外で活動してみるのもよいかなと思っています。最近は海外でキャリアを積み、有名になってから日本に戻って活躍されている俳優さんなども増えていますから。そうやって世界に出ていくことに全くためらいがなく、またその「世界」を広く捉えられるのは、大学時代の学びと経験のおかげです。実際に海外からオファーをいただいた際、外国語学部卒であることを伝えると歓迎されることも多いんですよ。

夢の実現は「挑戦」から始まる
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――最後に学生、同窓生へのメッセージを。
 お伝えしたいのは、「夢を追うのって恥ずかしいことじゃない」ということですね。私自身、「せっかく大学で4年間学んだのに、今さら夢を追うのはどうなんだろう」と葛藤したこともありました。でも、東京に出てきてみると「夢を追っている人」って結構います(笑)。もし夢があるなら、追ってみたらいいと思うんです。
 とくに現代はSNSで個人が何でも発信できる時代。ふと呟いたことを誰かが見てくれていて、それが形になることもあります。夢の実現は絶対、昔よりイージーになっていると思う。皆さんも、恐れずに挑戦してみていただければと思います。

※写真1枚目:第一ホテル東京 2階 カフェバー「トラックス」にて撮影