会長/学長挨拶
同窓生のみなさまへ
団塊の世代、高度経済成長期を経てバブル世代、氷河期世代(私)、ゆとり世代、Z世代…、様々な呼ばれ方で時代が表現されてきました。同窓会はそのすべての世代が集まるわけですから、当然世代間ギャップはあります。
かくいう私もずっと若年層、次世代くらいに思っていましたが、もはやそうではなくなってきました。20~30代とは寂しいかな話題が合わなくなってきています。
仕事や社交場、同窓会やその他様々な会合においても、もはや後輩たちが私たちに求めているものは「俺たちの時代はこうだった、ああだった」などの武勇伝や思い出話ではないのでしょう。今の若い世代の人たちは様々な道具やツールを使いこなし、効率的に圧倒的スピードで物事を進める、おそらくAIの進化により、それすらも道具として、より高いパフォーマンスを求められる世の中を生きてゆくのだろうと。生きているこの世界が違うのかと思うくらいです。
では、私たちは後輩たちに何を伝えられるのか。その答えは、どうして今の社会が形成されてきたのかを語ることかと思います。私たちが過ごした学生時代はスマートフォンやSNSといった情報技術もなく、また多様性を認めることもややもすると希薄で、仕事に対する価値観も根性、努力により成長を図るような時代でした。そこから、それぞれの価値観は多岐にわたり、我々にとっては到底ついていけないほど変化し変遷を重ねてきました。
そして今この時代、その場所、時間に、現代を生きる主役である学生、若者たちが舞台の真ん中にいるのです。そして各々の価値観や考え方があります。私たち親以上の世代にとっては理解しえない部分も多いでしょう。そんな考え方で将来大丈夫かと、いらぬ心配もするでしょう。
でも、もう彼らの時代です。私たちの役割は、どういう経緯を経て今この時代を迎えたのか、数多くの失敗や経験と深い考察があって今がある、ということを伝えることです。生まれた頃からインターネットにさらされているこの世代、その当たり前はつい数年前にどこかの誰かが築いてきたものであって、太古の昔から存在したものではないのです。少し前まで“当たり前”ではなかったことを伝えていきたい、そして未来の社会にとって、何が必要で何が価値あるものかを共に語っていければいいと思います。
タイパ、コスパと言われる時代ですが、僕らの頃は道草が楽しかった。無駄と言われようがまわり道をしたものです。そうした様々な体験を通して人生の幅みたいなものができてきて気がついたら、こんな大人になっていました。立派になったか、誇れるか、と言われると自信はないですが、それでも憧れられる、頼りになる先輩でありたいと思います。
京都産業大学同窓会は「今、創る『未来の礎』」をテーマに、本学最大の応援団として、卒業生そして現役大学生のために、私たちの経験や知恵をしぼって、京都産業大学のさらなる発展に微力ながら尽力していきます。
むすびにあたり、同窓生の皆さまのご健勝、ご多幸を祈念し、ご挨拶といたします。
出会いと応援が育む京都産業大学の力
同窓生の皆さまには日頃より母校の発展に温かいご支援とご声援を賜り、卒業後も変わらぬご厚情のもと、寄付をはじめ、さまざまな形で本学の教育・研究活動や学生たちの成長を支えてくださっておりますことに、心より感謝申し上げます。
本学は今年、創立60周年という節目の年を迎えました。創立以来、学祖・荒木俊馬先生が掲げられた「将来の社会を担って立つ人材の育成」を使命として歩みを進め、これまでに16万人以上もの卒業生が各界で活躍されています。私自身、2024年10月の学長就任直後から、各地の同窓会支部総会等で同窓生の皆さまと直接お会いする機会に恵まれ、厳しくも温かい励ましのお言葉を数多くいただきました。また、私の両親が富山出身というご縁から、富山県で開催された総会に伺った際には富山新聞社にも取材していただき、思い出深い訪問となりました。
スポーツの面でも、卒業生の皆さまと一緒に応援する喜びを多く経験いたしました。10月に男子陸上競技部が5年ぶりに出雲駅伝に出場した折には、私も前夜祭からご一緒し、出雲大社での正式参拝という幸運な体験もさせていただき、選手たちの活躍と本学の発展を皆様と共に祈念いたしました。富士山女子駅伝、ラグビー、野球、サッカーなどでも、卒業生の皆さまと共に熱いエールを送る中で、本学の底力の強さを改めて実感しております。
いま大学を取り巻く環境は大きく変化していますが、本学は「Be Innovative.」を創立60周年のスローガンとして掲げ、「むすんで、うみだす。」その先へと、さらなる発展を目指しております。特に教育・研究面では、「AI・DXの活用」、「産業に結びつく応用分野の拡充」、「京都という立地を活かした国内外の地域や企業との連携強化」、「大学と社会を自由に往来して学ぶ新たな仕組みの創出」、「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの推進と幸福感あふれる場づくり」の5つを柱に、これからの時代を切り拓く革新的な人材の育成に力を注いでまいります。
課外活動の面でも、学生たちは部活動・サークル・ボランティアなどを通じ、仲間とともに貴重な経験を積み重ねています。これらの活動が競技会での好成績や社会貢献として実を結んでいるのも、ひとえに同窓生の皆さまのご支援の賜物です。今後も、学生たちが学業とともに人間力を磨き、成長できる環境づくりに努めてまいります。
卒業生の皆さまとのつながりは、大学にとってかけがえのない大きな財産です。どうか引き続き、母校の発展を温かく見守っていただきますとともに、今後とも、さまざまな形で本学の教育・研究・課外活動にご参画・ご支援賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
同窓会名誉会長 在間 敬子