会長/学長挨拶
令和8年度 同窓生のみなさまへ
昨年本学は創立60周年を迎えました。隆々たる姿で名実ともに大きくなっていく母校の姿は、自身のみならず家族や親族、会社や仲間、友人知人にも自慢できる卒業生にとって誇らしい母校となりました。
京都産業大学で過ごした学生生活が、今の自分の人生の糧になっていると感じる瞬間は皆さんの人生でどのくらいありましたか?多くの方が、「そんな瞬間たびたびあるわけもない」「意識したことがなかった」と答えるのではないでしょうか。
「勝負しよう」「決断しよう」「耐えよう」「乗り切ろう」そのような瞬間は、そうそうありませんが、人生必ずそのような瞬間がきます。そのとき支えてくれるのは、自身がこれまで積み重ねてきた「学び」です。
学生時代に学んだことの浅い深いはあるでしょう。浅いと悟れば、反省し、今まで以上に学びを続け、深いと思えば、まだまだ浅いのだと、奢った己を自覚することでしょう。学べば学ぶほどに、ゴールは果てしなく遠いことを知るはずです。多様な学びと無駄だとも思える鍛錬の積み重ね、その結果が人生に豊かな選択肢を与えるのだと思います。
まだまだ本学は、発展・成長を続けていきます。我々卒業生も共に成長を続け、学生や後輩たちを応援し続ける。本学を卒業したことに、慢心している暇なぞありません。一人ひとりの卒業生が社会で活躍することが、本学の応援でもあるのです。とは言え、特段に意識する必要はありません。
社会で活躍し、子を育て、地域に貢献し、世界に羽ばたき、研究に没頭し、人とひとを繋ぎ、「立派だな」「素敵だね」「頼もしい」そのような先輩になることが大学の応援になるのです。
「同窓会は後輩たちのためのもの」
今、その礎を築いているところです。同窓会は2029年に設立60周年を迎え、人間でいうところの還暦、一周しようとしています。今一度、後輩たちのための同窓会を、先輩である我々が設え、後輩たちが、社会で活躍していく後押しをしよう。と言いつつも、もしかしたら、「老いたら子に学べ」かもしれません。
さて、今号の同窓会報よりデジタル化しております。私自身は、「デジタル万能至上」という考えでもありません。かといって、紙とデジタルを比較して“紙の良さ”を説明するつもりもありません。紙とデジタル、それぞれに良さがあるものです。
でも、後世に語るなら“紙でよかった時代の良さ”だと思うのです。
携帯電話やSNSがなかった時代も、エスカレーターがなく大教室まで坂道を歩いた時代も、不便を感じることなどなく、正に今の学生たちとなにも変わらず、青春を謳歌していましたよね。
同窓生のみなさま。これから躍進しようとしている後輩たち、さらなる素晴らしい未来を築くために社会で羽ばたこうとしている後輩たちのために、我々同窓生が応援し続けようではありませんか。そして、後輩たちと共に学び続けましょう。
人と知をむすび、未来をひらく大学へ
同窓生の皆さまには、日頃より京都産業大学への温かいご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
本学は今年度、新たな教育の展開に向けて大きな一歩を踏み出しました。4月にはアントレプレナーシップ学環を開設し、自ら課題を見つけ、多様な人々と協働しながら新たな価値を生み出す人材の育成を始めています。また、文化学部は「文化構想学科」「文化観光学科」「京都文化学科」の3学科体制となり、人文学の知見にデジタル技術やデータ活用の視点を取り入れながら、現代社会の課題に向き合う学びを展開しています。
さらに、包括連携協定を結んでいるソフトバンク株式会社のコンテンツを用いて、生成AIを適切に活用するための教育を、全国の大学で初めて、全学部・学環で初年次教育に導入しました。情報理工学部では、他学部と連携して、AIを応用する教育プログラムを開始します。
現在、来年度の現代社会学部心理学科の設置に向けた準備も進めています。心理学への社会的関心が高まる中、人の心と行動を科学的に理解し、その知見を地域社会や産業界の課題解決につなげることのできる人材の育成を目指しています。
こうした取組の背景には、本学が創立以来大切にしてきた「将来の社会を担って立つ人材の育成」という建学の精神があります。社会が大きく変化し、AIやデジタル技術が急速に発展する時代だからこそ、専門知識だけでなく、多様な人や知を結び付け、新しい価値を創造できる力が求められています。特に教育・研究面では、「AI・DXの活用とAI教育の推進」「産業に結びつく応用分野の拡充」「京都という立地を活かした国内外の地域や企業との連携強化」「大学と社会を往来しながら学ぶ新たな仕組みの創出」「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの推進」を5つの柱として、文系・理系の枠を超えた学びや産学連携、国際交流をさらに発展させています。
これまで進めてきた教育改革の成果として、2026年度入試の志願者数は前年を大きく上回り、2025年度卒業生の実就職率も向上し、企業人事からも高く評価されています。今後は急激な人口減少に直面することが予測されますが、さまざまな改革を加速し、次代を切り拓き、未来社会を担う人材を育成してまいります。
本学の発展を支えてくださるのは、全国そして世界で活躍されている16万5千人以上の同窓生の皆さまの存在です。卒業生の皆さまは学生たちにとって身近なロールモデルであり、本学にとってかけがえのない財産です。今後とも母校へのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、同窓生の皆さまのますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
同窓会名誉会長 在間 敬子
